俺が学生の頃、よく俺が貸したものをパクる奴がいた。
俗に言う借りパクってやつです。
モノはすぐに返せるはずの文房具に限らず、ゲームやらも家に連れ込んだときに借りてってパクられたりしたし、中には家が一般家庭に比べたらゲームソフトも大量に持っていたこともあって、無断でパクられたモノもあって、親からもで禁止令が出たくらい。
気付いたときに言っているのだが、なくしたのか知らんが、必ずはぐらかす。
それも被害者は俺だけではなかったようで、クラスメイトからは嫌われていた。
そのためかわからんけど、父親のタバコの不始末が原因という噂でしかないのだが、借りパク野郎の家が火事でほぼ全焼。
よく古い人は格言みたいなように言うけど、泥棒は一部しか持っていかないけれども、火事ってのは全てのモノを持って行っちゃうからタチが悪いと。
この言葉を若くして聞いたことがあったから、災難だろうけど、ざまあとも思ったし、俺がパクられたモノも燃えちゃったんだろうと、それはそれで悲しい気持ちにもなったけどね・・・
それからは本当に何も無くなったかのように毎回のように誰かから教科書見せてもらったり、文房具借りたりとしばらく続けていたが、その場で返すようになった。
まあ周りも取り上げるように返させたってのもあるんだろうけど、火事が起こってからはしばらく元気も無かったようで、取り上げられるように返させられてたときはちょっと気の毒にも見えたけど、泥棒なんだから、それくらいのことされても仕方がないとクラスの大半は思っていたそう。