10年くらい前、とある銀行に行ったときの話。
銀行の前の通りって、基本は車停めちゃ駄目なんだよね。
バスが通るのに邪魔になるから。
停めると銀行から警備員が出てくる。
でも、運転手が乗ってていつでも動かせればOK。
で、その日、帰り際にアメ車のでっかいやつ(装甲車みたいな)のが停まったのを見たんだ。
様子見てたら、ドライバーが降りて銀行へ。
でかいアメ車は無人に。
するとメガネでふとっちょの警備員がボヨンボヨンと駆けてきた。
アメ車のドライバーは2メートル近い大男で、スキンヘッドにヒゲにサングラス。
黒いTシャツが筋肉で張り詰めて、一見悪役プロレスラーにも見えるくらいイカツイ。
頭ひとつ低い警備員は柔道デブ風で胸は厚いし首は太いけど、ドライバーに比べたらただのピザ。
警備員はドライバーに静かに丁寧に説明し、同乗者がいないなら駐車場に入れて欲しいと頼んでいたが、ドライバーは顔を突き合わせるようにして(格闘技の試合前の睨み合いみたいに)
“すぐ済むって言ってるだろうが!”
“どうして欲しいんだ言ってみろコラ!”
と恫喝している。
ていうか何故キレてるんだかわかりません。
結局、警備員は丁寧な姿勢を崩さないままに一歩も引かず、ドライバーは悪態(というか脅迫)をつきながら車に乗り、退散した…
その時になって、遠巻きの野次馬をかきわけて応援の警備員二人がやって来ました。
途端に何故かバックして戻ってきたアメ車。
窓からプロレスラー風ドライバーが顔を出しながら、やんのかゴルァとまた騒ぎ出したが、ニコニコと顔色ひとつ変えずにいやいや行って頂いて結構ですよと返すふとっちょ警備員。
挙げ句に轢くぞゴルァといきなりバックするアメ車。
ギリギリをかすめられながらニコニコと顔色ひとつ変えずにいやいや行って頂いて結構ですよと(ry
なんだ人数集めやがってホンモノ呼ぶぞと携帯を出すドライバー。
ニコニコと顔色ひとつ変えずに(ry
結局アメ車は「デブ!」と言い残して去って行きました。
俺だったら勝てないとわかっててもさすがにキレてるだろうから、もの凄いメンタルしてるもんだと感心してしまった。