自分は小学生の頃めちゃくちゃ恐がりだった。
だから、田舎の父方の実家に帰省するのがすごく苦手だった。
それは、夜になるとめちゃくちゃ暗かったから。
それに従兄達は親の見ていないところで自分を苛めるし最悪だった。
ある日従兄に押入れの中に閉じ込められて泣いてたら、じいちゃんが助けだしてくれた。
じいちゃん「なんでこんなことするんだ。仲良くせんか」
従兄「こいつ恐がりですぐに泣くからおもしろくてww」
じいちゃん「ほお…」
そしたらいきなりじいちゃんの雰囲気がガラッと変わった。
いつもはおっとりしてて優しいんだが、背すじを伸ばして仁王立ちしてるじいちゃんはすんごい迫力だった。
従兄はその迫力にやばいと思ったのか静かになった。
じいちゃん「怖いって感じるのは人としてすごく正しいことだ」
従兄「……」
じいちゃん「怖いことを怖いと思えなくなったら人間終わるぞ。おい!じいちゃんな、よーく知ってるんだよ。そういう人間は悲しいぞ。見てて苦しいぞ。この子が怖いと思うことをお前がこれからも続けんならな…じいちゃんにもなあ、考えがあるぞ。なあ」
従兄「…ごめんなさい」
じいちゃん「ん。仲良くせい」
文章にしたら全然伝わらないんだが、生まれて初めてじいちゃんがすごく怖いと思った瞬間だった。
別にじいちゃんは怒った口調で言ってるわけではないんだけど、背中に冷や汗をかいた。
従兄はそれ以来すごく自分に優しくなり、事あるごとに世話をしてくれるようになった。