うちの嫁が妊娠4ヶ月の時のこと。
その前に一度流産してるので心配で、健診にはできるだけ付いていってた。
病院の待合室はいつも一杯で待ち時間も長い。
それでもみんな心得たもので、本を読んでる人や編み物してる人で静かだった。
けどその日だけは別だった。
4~5歳ぐらいの男の子が待合室の中を奇声をあげて走りまくっている。
お腹の大きい母親が「座ってなさい」と一応声を掛けるが、いかにもテンプレ的と言うかガキの方は全然聞いちゃいねー。
そのうち看護士さんが「ボク、静かにしようね~」って軽く注意したんだが、その母親の態度は他人事。
で、うちの嫁がトイレから帰ってきたときの事。
余所見しながら走っていたガキが、そのままの勢いで嫁に体当たりした。腹に。
嫁、バランス崩して倒れそうになって、その様子が俺にはスローモーションのように見えて、正直すっげえ怖かった。
幸いたまたますぐ後ろを通りがかった女性が支えてくれて倒れずに済んだけど、尻餅なんてついたらマジやばかった。
それで俺むかついてガキの母親の所に行って文句言った。
「今の見てましたか?あなたの子が全く注意を聞かずみんなに迷惑を掛けて走り回って、もし誰かに何かあったら責任取れるんですか?走り回っていい場所とそうでない場所って、おたくでは教えないんですか?」って。
そしたらあのババア、鼻で笑いやがった。
「注意して聞く子なら走りませんって。あんたもじき分かりますよw」だと。
あんた、だよ。あんた。
これには二重三重にむかついた。
だったら実力行使だなと思った。
相変わらず奇声をあげて走り回るクソガキが、俺の前を横切ろうとした瞬間、急になんかケツがモゾモゾしたんで足を組み替えた。
その組み替えた俺の足にクソガキがぶつかったんだよ。偶然って怖いw
クルッと回転するように派手に転んだガキは当然ギャン泣き。
優しい俺はガキのそばにいって立たせてやり、「こういう狭い所で走り回るとこんなことになるだろ?周りを見てみな。ここで走り回るような恥ずかしいことしてる人誰もいないだろ?おまえは可哀想だな。ちゃんと教えてくれるお利口さんなママがいなくて」
それを聞いてたババア、真っ赤になってガキの手を引っ張って待合室から出て行った。
嫁にはやりすぎって叱られたけど、ガキのうちに教えてやるのが親切ってもんだ。