人のせいにしながら何でも持って帰るハイエナおじさん

人のせいにしながら何でも持って帰るハイエナおじさん

私の親戚に事あるごとに理由をつけてはやって来て、なんでもハイエナのように持って帰ってしまう叔父が居ます。

叔父は一人暮らしで、最近リストラにあったという話を別の親戚から聞くのですが、プライドの高い叔父はそれを話しません。困っているんだったら分けてあげたいとは思うのですが、叔父のスタンスは、お金に困っているんじゃなく、私たちが物の使い方が悪いことを説教して、私たちのせいで仕方なく持って帰るので、こちらから助けようがありません。

うちで一緒に暮らしていた祖母のお葬式の時、式も終わらぬうちから早々と祖母が使っていた部屋をあさり始めました。父方の祖母と、母型のほうのこの叔父さんは面識がある程度のはずだったのですが、こんな物をおいて可哀そうに、と、邪魔だ、整理がされていない部屋でどんな辛い思いで亡くなったのかと、式に居合わせたみんなの前で私を責めてとても傷つきました。

叔父は、処分してあげる、整理して戻してやるんだと言い、祖母の部屋にあったものを車にどんどん積み込みました。反物などきちんとたたまれているものを整理して戻してやるってどういうことでしょうか?どさくさに紛れて貯金箱(5円玉しか入っていない)や生命保険証(例えこれを取っても自分は受け取れないのに)の類まで持って行こうとしました。終始説教しながら手がつけられないテンションでしたので、こちらもなぜか叔父に、ごめんなさいなんて誤っていたのが今思えば大変悔しいです。

ある日突然やって来た叔父は、うちのパソコンがウイルスに感染しているからうちからスパムが来たのだと、カンカンに怒った様子で説教をし、うちのパソコンを修理すると言って持って帰っりしました。突然なんの話なのか終始ポカンとしているうちに持って行かれた事が大変悔しいです!

そして、そんなこんなのハイエナ状態が多々あり、ある日事件が起こりました。

いつものように人のせいにしながら冷蔵庫の中身まで持って帰ったのです。その時私は外出しており、小学生の子供たちだけがいる状態で、帰った時はすでに冷蔵庫の中身が半分以上無かったのです。終始子供たちに、お前たちの親はこんなものを子供に食わせてなんてかわいそうな事をしているんだ、とか、さんざん私の悪口を言っていたようです。処分してくれる体裁で中のものを持って帰ったのだろうと思います。

その日の夜でした。病院の看護婦さんから叔父が運ばれたと電話があったのです。びっくりしました。話を聞くと、うちの子供が自由研究の為に、麦茶のペットボトルの中身を違うものに入れ替えて冷蔵庫で冷やしていたものを飲んだらしいのです。その中身は何を入れていましたか?と処置に必要なので教えてくださいと言われました。
その中身は、体内に入れて大丈夫なものだったのですが、なんせ、お茶だと思って一気に飲み干すと・・・血圧が高い人は倒れてしまいます。というか、ペットボトルに大きくマジックで、「飲むな、危険!」と書いてあったはずなのですが・・・

翌朝お見舞いに行くと、もう帰っても大丈夫だと言われ、看護婦さんと話をしている最中でした。私がその中身を飲ませたのだと思われてはいけないと思い、看護婦さんに一連の話をお伝えしました。すると、若くて可愛らしい童顔の看護婦さんは、叔父に言いました。

「ペットボトルでも、中身が傷んでいることもあるといけないから、ちゃんと確認してから飲んでくださいね。」

「困っている事があるなら、人のせいにしないで、素直に助けを求めましょうよ」

と言ってくださいました。おそらく、健康保険に未加入だったり、病院代に困っている様子をうかがい知ったのかもしれません。

その瞬間から、叔父はくずれるように看護婦さんと私に力ない言葉で言いました。

「健康保険の減免措置をしたいんだがどうすればいい?」

看護婦さんは院内のソーシャルワーカーの相談予約を、なんとか今日中に願いしますと頭を下げて予約をとってあげていました。また改めて出直してくる交通費の出費がかからないよう、そして早くなんとかしてあげようと懸命になってくれている、まるで天使のように見えました。

結局私も一緒にその相談に同席し、いろんな手当を受ける際の保証人になってほしいと泣きながら叔父に言われました。私はその場で主人に電話して相談したのですが、借金の保証人じゃなく身元の保証人ならいいよとうちの主人も言ってくれました。

それからというもの、叔父は今までの邪悪さが抜けきり、別人のように温和に大人しくなりました。そして半年たった時、無事向上へ再就職を果たし、ハイエナだった叔父が菓子折りをもってうちにやって来たのでした。

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