いつも特別扱いで不真面目だったアルバイト君に天罰が下ったこと

いつも特別扱いで不真面目だったアルバイト君に天罰が下ったこと

以前私が、アルバイトをしていた職場での出来事です。
ある街の洋服屋でアルバイトをすることになりました。その洋服屋は、土地柄、扱っているお洋服のお値段が高く、どちらかというと高級ブティックといったほうがいいようなお店でした。たぶん初めて見るお客様の中には入りづらいと感じる方もいらっしゃるような雰囲気だったと思います。そんな洋服屋に、先にアルバイトとして働いていたのがA君です。当時の私と同世代、20代の青年でした。見た目は爽やかな青年といった感じのこのA君に振り回されることになるのです。

A君以外には社員さんが数人いました。毎日シフト制で、A君と二人きりの日もあれば、社員さんもいて数人のときもありました。A君に振り回されるときは、決まって、私と二人のシフトのときでした。

私がバイトに入って、二週間くらい経ったときに、初めてA君と二人の日がありました。そんなに規模が大きくないお店でしたし、なんとなくの仕事の流れはわかってきていたので、いつも通りに仕事をしていました。掃除をし終わったあとの雑巾を洗うためのバケツがいつもの場所になかったので、A君に聞いて見ると、そこで言われたのが、「僕はわからないから、自分で何とかして。」でした。確かに仕事の面で自分で考えて行動しなければならない場面はあると思いますが、そういった内容の質問ではなく、聞かれたら教えてくれる内容だったと思います。しかも前日私はお休みで、A君は出勤でしたので、知らないはずはありません。仕方なく、バケツは使わずに洗いましたがなんだかモヤモヤとした気持ちになりました。

その後も、同じようなことが多々ありました。たとえば、店長の顧客のお客様がいらしたときには、店長が休みの日でも何かあれば連絡してくれて構わないと言われていました。以前店長が接客したときに気にいったものを欲しいけれど、どれだったか覚えていないということでしたので、私は店長に電話をしようと思いました。一応A君が先輩なので、A君にその旨を説明すると、「したければすればいいんじゃない。僕はわからない。」と言われて終わりでした。何でしょうか。今までアルバイトをしてきた経験上、このようなタイプの人には会ったことがことがなかったので、首をかしげたくなりました。結局このときは店長に電話をして事なきを得ましたが、A君に関しては疑問が募るばかりでした。だって、いつも暇さえあれば、お店のカウンターで堂々と携帯を見ているんです。ガラス張りのお店で道路にも面していましたので、お客様が外から中は見れます。携帯をいじっている姿を見たらどう思うでしょうか。少なくとも私はそのお店に入りたいとは思いません。

募る疑問を本人に言えなかったのは、実はこのA君は、お店のオーナーの紹介で、特別扱いでバイトをしているからでした。A君には他に本職があり、そちらが軌道に乗るまでのバイトだということでした。その本職は、芸能に近いようなものでした。私にはあまり知識がない世界でしたし、本職のほうでA君はがんばっているのかもしれませんが、バイトでしか知らないあのA君が、本職でがんばっている姿は想像できませんでした。そんなわけでA君はどんな態度でアルバイトをしようと社員さんたちも何も文句を言えませんでした。

そんなA君とともにアルバイトを始めて数か月が過ぎたある日、お店に貴婦人のような少しお年を召した上品な女性がいらっしゃいました。女性は、お店に入ってきたときにそばにいたのがA君でしたので、女性に「いらっしゃいませ。何かお探しでしょうか。」とA君はお声がけしました。すると、女性はA君のお声がけには反応せずに、私のところへきました。そして、「あなたはこのお店でいつも輝いてがんばっているわね、いつも外から見かけるほかの人の中には、まったく輝いていない人もいるわ。」ちらりとA君のほうを見やりながらそう言ったのです。広くはないお店ですから、ほかにお客様もいなく、当然A君の耳にも入ったはずです。なんだか私はスカっとしました。

結局その後私は短期間のアルバイト契約だったので、A君よりも先に辞めましたが、風の噂で、A君はアルバイトを辞めて、本業のもうも鳴かず飛ばずのようです。本業に関しては何とも言えませんが、やっぱりなという感じでした。

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