亡き祖父は生前、ヒキガエルに紐を付け玄関先の水瓶の中に入れていた。
訪問客がカエルに気付き「へ~、よく出来てるなぁ」と近付くと飛び出て来る。
その悲鳴で誰か判定し、会いたくなかったら居留守を使う。
平屋だからできること。
しばらくすると鍵も掛けずに出掛けてもいた。
ほとんどの人はカエルに驚き逃げるし、知ってる人は「あぁ、今は会いたくないんだな」と察して帰るから・・・
が、ある日、泥棒が入った。
私が訪ねたら祖父が「閉めたはずなのに戸が開いてる」と首を捻っていた。
そこで「まさか・・」となり念のため警察を呼んだ。
幸い何も取られていなかった「あれじゃあ不気味過ぎて何も盗めない!!」とは調べに家の中に入って泣いて戻って来たお巡りさんの言葉。
家の中は入ってすぐが仁王立ちの熊の剥製。
少し行くと祖父が中国で買って来た関帝の像。
そして棚の上にはスズメバチ酒にマムシ酒。
柱には何かの全身骨格が掛かっていたから。
こんな祖父の職業は普通のサラリーマン。
しかもこの事実は亡くなって8年経つ最近になって家族全員が知った事実。
他にも牛に紐を付けて町内を散歩したり、家族に黙ってふらりと出かけそのまま帰って来ず「最近、おじいちゃん見ないねぇ」と言い合っていたら一人でオーストラリア行ってたり、とエピソードは尽きない。
そろそろ命日なので書かせてもらいます。