偉そうに物申す、か。
数年前、箱根駅伝の沿道応援に行った時の話。
自分自身、カメラが趣味で、毎年沿道で選手を撮ったりしてる。
ゴール近くにいいポイントがあるので、そこでいつも撮影している。
ただ、ビル駐車場の出口になっているので、交通規制がかかるまでは邪魔にならないところにいる必要があるんだけど。(近くの百貨店への送迎バス発着場にもなってるのでけっこう車の出入りが激しい)
規制前、駐車場出口から頻繁に車が出ているのに、脚立を置いてその上に乗り、いろいろ確認しているオヤジが登場。
駐車場出口にいた係員の人が、オヤジに「すいませんが、車の出入りがまだあるので少し避けてもらえないでしょうか」とお願いしていた。
しかし、オヤジ「ここは公道(歩道部分のこと)だろ!その建物の境界線まではおたくの私有地だけど、ここは道路交通法で決まってる公共の場所なんだよ!おたくらにどうこういう権利なんてないの!」とまくしたてる。
係の人は「申し訳ないですが、車が出入りするので・・・」と本当に申し訳なさそうにしてる。
しかし、オヤジ「だから道交法で決まってんだよ。とやかく言われる筋合いはないの!歩道を勝手に使ってるくせに指示するな」と大声・早口でまくし立ててあとは係の人を無視。
脚立に乗ってまた周りを確認。
カメラ趣味の人間としてもちょっとムカついたので、今度は自分が声かけた。
自分は無表情で、かつ嫌味っぽく理屈で攻めてみる。
俺「沿道で脚立使ってると陸連の人に注意されて降ろされますよ。」
オヤジ「あ、大丈夫。」
俺「大丈夫じゃなくて。箱根駅伝の公式HPにも禁止事項として記載されてますよ。だいたい人ごみで脚立に乗ったら危ないし、後ろの人が見えなくなります。迷惑ですよ。」
オヤジ「人に頼まれたんだよ。」
俺「後ろから見る人に頼まれたわけじゃないでしょ。危ないし迷惑。」
オヤジ「・・・いや、だから乗らないよ。場所取りで使ってるの。あっち(けっこう幅のある道を渡った広場でやってる応援団のチアリーディング)も撮るから。置いておくだけだったら文句ないだろ。」
俺「公共の場なのに占有するんですか。」
オヤジ「車が来たらすぐ戻ってきてどかすよ!」
俺「信号もあるし交通量もあるのに、どうやってすぐ来るんですか。人ごみもあるのに。」
オヤジ「すぐ渡れるんだからちょっとくらい信号見なくても大丈夫だろ。」
俺「へえ、道交法無視するんですか。」
オヤジ「・・・法律かよ・・・理屈っぽいな・・・」
ここで、引っかかった!と思って次の(決めの)セリフを言おうとしたら。
すぐ隣で見てた爺様が、かは!と笑って・・
爺様「最初に法律をもちだしたのはおめえさんじゃねえか。どっちが理屈っぽいんだ。こんなところでそれ(脚立)に乗ったらあぶねえからやめときな。天下の公道でみんなそれぞれ譲り合ってやってんだからよ。」
と江戸っ子丸出しの口調、しかも大声でオヤジを窘めた。
しかし笑顔。
周りも注目。
オヤジ、口をモゴモゴさせながら退散。
なんか一番いいところもってかれたなあ、と思ったけど嫌味たらしい自分が言うより快活な爺様が言った方が効果があったなと思い、爺様に会釈だけしておいた。
自分の武勇伝にはならなかったけど、駐車場の係の人もほっとした表情だったので。
ちなみにオヤジは、こちらから見える別の場所に移動して、選手通過の時にやっぱり脚立に乗ってたが、陸連の人に注意されて降ろさているのは見えた。