まだ携帯電話が普及していなかった頃の話。
うちの会社の支社長(地方支店)、これが絵に描いたようなパワハラ男(当時はパワハラと言う言葉は無かったかな?)
部下に対して「馬鹿」「カス」の暴言。
昨日言ったことと今日言った事と話が180度違う、そんな上司。誰も止められなかった。
ある時、転勤で支社に来たA嬢。
彼女は総合職一期制と言うことも有り、上司にズケズケ文句を言う。
上司も「女のクセに」って感じでいつも以上にイビリが酷い。
でもって彼女は人事部へパワハラを受けていると相談。
人事部も動き出し・・・
ある日の午後、人事部から電話が掛かってきて支店長へ取り次いだ。
人「○○支店長が部下にイビリをしていると通報が有ったのですが…」
支「私はそのようなことはしていません」
人「△△と言われたと通報があったのですが…」
支「私はそのようなことはしていません」
人「□□の件は?」
支「あぁそれはA嬢が逆恨みをしているんですよ」
人「私はA嬢とは一言も言っていませんが」
ここから先、支店長がシドロモドロになったが
「私は何もしていない、通報の内容な事は一切していない」と言い切り電話を終わった。
電話の内容で「A嬢が通報したのだな」と思った支店長。
A嬢を呼び出し
「馬鹿野郎」「アホ野郎」「貴様何様だ、告げ口をするなんて」といつも以上に罵詈雑言。
反論していたA嬢も涙目になった頃、事務所横の会議室から人事部の人達が出てきた。
人「支店長。話はすべて聞かせてもらった。ちょっとこちらに来てもらえるかな」
と強引に会議室へ連行され事情聴取。
実は数日前、俺は人事より極秘に話を受けていて、○日の13:10支社へ電話する。
アナタが電話を受け支社長へ電話を廻せ。
電話機に録音装置をつけて、通話を録音しろ。
また、当日会議室を使うから誰も入れるな。
人事部の人達は昼休みに誰にも見つからないように会議室へ入り、時間を待って携帯電話から電話をしていた。
まぁ俺は言われたままにセッティングをしていたのだが、俺とA嬢が悪者上司を成敗した。
そんな武勇伝として会社に流れていると言うのを最近知った。