もう10年以上も前の話だが、パチスロがブームになってホールに若者が押し寄せていた頃。
俺の隣でいかにも初心者と思しきウザガキ二人組が打っていたんだわ。
いや、打っていたのは一人で、もう一人は席占有して座っていただけ。
この俺の隣で主に打ち続けていた奴、まさにビギナーズラックの典型とでも言うべきか、大当たりをガンガン引くんだよ。
ただし、狙った絵柄を揃えるのはもう一人の役目。
それまで座っていた方が7を揃える役目だったようだ。
やがてこいつらは「目押しサービス致します!」というポップに気付き、それ以降は大当たり成立後、即店員呼び出し、これを何度も繰り返した。
5連チャンぐらいに達した頃だろうか、コールランプに反応した店員がツカツカとやってきて、こいつら二人組の胸倉を掴み、「おめーらいい加減にしろ!出玉没収!今後は出入り禁止だ!!」
周囲の客は皆、店員GJと思っただろう。
理由を分かってないのは件のウザガキ二人組みだけで、一人が無い知恵絞って反論した。
目押しサービスするって書いてあるけど、これは嘘なのか!?と。
これに対して店員は、店内ポップのこの部分を声出して読んでみろとウザガキに言った。
「え~っとぉ・・・“遊戯をされない方の着席は固くお断りします”
“店のルールを守れない方は、持ち玉没収の上、当店への出入りをお断りします”・・・ハァ!?」
「分かったか、兄ちゃん。目押しってのはあくまでもお客様に対するサービスだけど、おめーらは客じゃねえからな。もう二度と来るんじゃねーぞ?」
権利を主張し、義務を果たさない奴はこれぐらい痛い目にあって当然だと思うんだわ。