ある日トイレから戻ると俺の消しゴムにシャーペンの芯がハリネズミのように大量にささっていた。

ある日トイレから戻ると俺の消しゴムにシャーペンの芯がハリネズミのように大量にささっていた。
高校入学して間もないころの話。

地元から離れた所にあってうちの中学からは入学したのはAと俺の2人だけだった。

しかもそのAと同じクラスに。

Aとは中学時代あまり話したこともなく、おとなしいタイプのAと少しやんちゃしてた俺は、それでも同じ中学なので最初の頃は一緒にいることが多かった。

で、このAが非常になめられやすいというか、イジメられやすい体質のやつでよくからかわれていた。

入学して1ヶ月も過ぎた頃、だんだんクラスの序列みたいなものが決まってきてAとよくいた俺もなぜか最低ランク扱い。

高校生になったらすぐ退学させられると聞いていたので極力大人しくしようと思っていたが、だんだんイジリがイジメの域になってきて我慢も限界に。

といっても朝会うと「おっす」と言って頭はたかれたり、教科書に落書きされたり。

中学時代はどちらかというと恐れられてたキャラだった俺はそれだけでたいがいイラついていた。

Aはもうはっきりイジメられていて見ててイラついていた。

ある日トイレから戻ると俺の消しゴムにシャーペンの芯がハリネズミのように大量にささっていた。

ずっと我慢してた鬱積していたものが一瞬ではじけるのがわかった。

でも学校で暴れたくはなかったので「もおおお、誰だよこれやったの?芯返すよー」

と言って笑いながら一本ずつシャーペンの芯さしたやつを探した。

8人ロックオン。帰って名簿から住所を調べて一人ずつ家庭訪問開始。

もともと高校デビューまるだしのヘナチョコばかりだったので1対1で相手になるわけもなく一人目は人気のないところに呼び出して頭突き一発で終わり。

バリカンで頭の真ん中刈りこんで逆モヒカンにして2人目の家へ。

2人目もパンチ一発で終わり。

こいつも逆モヒカンの刑で3人目の家に。

こいつは体がでかいやつだったので、覚悟していたがやられてる2人を見てビビリまくり。

自分から謝ってきたので殴らず逆モヒの刑。

翌日みんなの俺を見る目が違う、というか誰も目を合わせてこない。

逆モヒの刑の3人は坊主になって俺のところまで改めて謝りにきたので、残りのやつの名前入りしばくリストを渡して「呼んでこい」と命令。

俺の隣にAも座らせて全員正座。

一人Bだけは「タイマンじゃこら」と言ってきたので「了解。これから毎日お前の家にシバキにいくわ。今日6時からなー。」と言うと、昨日しばいた3人が「いや、ほんまに家に来るからやめとけって。」と首を横に振る。

Bは「それがどうしてん?俺がお前の家いくからまっとけや」と言われたので「勝手に来いや。うちの兄貴に生意気なん来るからシメといてー言うとくわ。せいぜい殺されんようになw俺はお前の家行ってやりたい放題させてもらうわ。徹底的にやるんやな?俺は一歩も引かんぞ。死ぬ気で来いや。」

と言うと下を向いたまま黙り出した。

「どうするんや?俺とAを完全に敵にまわして徹底的にやり合うんか、これから先クラスメートとして仲良く友達するんか、今決めろ。

そう言うと「うん。友達の方向で・・・」

と言ったので握手。Aとも握手させた。

その後しばらくは腫れ物にさわるような扱いだったが、徐々にうちとけ普通の高校生活に戻った。

おすすめサイトの最新記事(外部サイト)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする