友達の親が選挙に出ることになって夏休みということもあり、選挙活動の手伝いを自分もしたんだけど、田舎だから選挙のスタッフも近所の人を集めた急ごしらえ的なものだった。
それでも皆一生懸命頑張っていたんだけど、一組の老夫婦がちょっとねじ緩んでた。
基本男性スタッフは一緒に選挙カーに乗って応援に回って、女性は選挙事務所で炊き出しや電話応対、お茶出しってことが多く私も友達と台所に一緒にいて手伝いをしていた。
で、その老夫婦のダンナのほうは用もないのに台所に来て、何か食べ物はないかと冷蔵庫をあさる。
用もないのにやってきてお尻を触ったりセクハラしたりする。
一緒に手伝っていたおばちゃんが角が立たないような言い方でたしなめるが、「うへへ」とか「ひひひ」と全く反省の色なし。
老夫婦の奥さんのほうといえば、主婦暦が明らか長いはずなのに、要領悪くて怠け者。
何をすればいいか分からないなら誰かに聞けばいいのにそれすらもせず、もうご飯ができている頃を見計らって遅れてやってきて、形ばかり配膳をちょっと手伝ったかと思うと、いつの間にか皆と一緒にご飯を食べてる。
朝早くから来て台所でご飯作ったり、したくしている人たちはまだ食べてないのにもかかわらず。
そして残ったもの(と言ってもまだ食べていない人がいる)を冷蔵庫に保存しておくと・・・
「あら~たくさん残っているわ~。」
「こんなにたくさん残してたらもったいないわ~」と、暗にもっていくアピールを集中して友達に。
友達は手伝ってもらっているし、場合が場合なだけに誰に対しても愛想よく、角が立たないようにしなければいけない。
それを知っていてか、逆らえないでしょ。
とばかりにクレクレアピールしてくるので、友達の代わりに自分が、「それまだ食べていない人がいるので」などと言って牽制していた。
選挙活動も中盤に差し掛かった頃、友達の親戚で水産関係の仕事をやっている人(見た目893系)が陣中見舞ということで獲れたての鯛や鰤やまぐろを持ってきてくれた。
それをさばいて刺身にしてくれたが、お昼までにはまだ少し間があったので冷蔵庫にしまっておき、電話番の人を留守番に応援やお願いに行った。
戻ってきてみると、刺身が全部なくなってた。
まださばいてない塊も消えていた。
誰に聞いても知らないと言うし、皆微妙な気持ちでその日は過ごした。
すると次の日から老夫婦がぱったりと来なくなった。
2日間何の連絡もないのでスタッフの人が様子を見に行くと、どうやら刺身の食べすぎでおなかを壊して寝込んでいたようだった。
結局夫婦はそれからずっと顔を見せなかったのだけど、選挙当日当選して一同お祝いムードの中怒鳴り込んできて、「刺身を食べたらお腹を壊した慰謝料払え」友達の両親が微妙な顔をして無理だと丁重に断ると、言わないだけでみんな怠けていたことを知っていたのに「誰のおかげで選挙に当選したと思っている」云々。
窃盗の自己申告の上に慰謝料よこせという非常識っぷりにあきれ返っていると、例の魚を持ってきたおじさんが一喝。
「お前たちか。俺が持ってきた魚を盗んでいったのは。いい年して盗みなんかした上に、盗んだものを食べて腹壊したから慰謝料払えなんて恥ずかしいと思わないのか。 窃盗で警察に突き出してやる」みたいなことをすごい剣幕で言っていた。
そして通報。
老夫婦は厳重注意された。
老夫婦は日頃から、人の家の庭に勝手に入ってさくらんぼやら花やらを盗んだり、飼い犬の糞を人の家の玄関前に置いていくという悪行を繰り返していたこともあり、
その件をきっかけに村八分。
ざまあみろ。