ある日コンビニに入ったら、カウンター内に何ともかわいらしい店員さんの姿が目に入った。
小学3年生くらいかな。(子ども用の)コンビニの制服を着て、壁沿いの作業台(電子レンジなどが置いてある台)に腰を降ろし、脚をブラブラさせながら、つまらなそうにハエ叩きを振り回している。
店内にいるハエを始末するように、母親(たぶん経営者)に言われたんだろうね。
コンビ二の制服を着た小学生を想像してごらんよ。かわいいよねぇ。
オレもかわいいなと思う反面、こりゃいかんな、と思ったんだ。
偽物ではあっても、制服を着て店内にいる限りは、子どもであっても店員らしい行動をしなけばいけないと思ったわけ。マナーだもんね。
だが、彼は一向に止める様子がないし、店員も彼を注意しないんだ。
レジで自分の順番がきたとき、オレはまず男の子に言った。こっち来いって。
彼は最大に緊張した様子で母親の横に立った。
オレは、仕事をするなら真面目にやるように、そして、作業台は座るところじゃないと注意を与えた。
わかったか?と聞いたら、うん、と答えた。(ハイと言ってほしかったけど、ここは妥協)
で、レジに目を移したんだが、そのとき母親がオレにひとこと言った。
「ありがとうございます」
びっくりした。“気をつけます”“すみません”じゃないんだぜ。
ああこの親なら大丈夫だって思った。
まあね、ありがとうと言える親なら、初めから子どもに注意を与えるべきだとは思うけど。
これからはきっと子どもをきちんとしつけるだろうし、そうあって欲しいな。
注意したことを武勇伝だなんて思ってないので、念のため。