朝からウトメをこき使ってやった。
旦那が仕事で不在だったので、威力半減だったのが不本意だがな。
正月前らしく「餅をつく」というので、トメを台所に軟禁、餅をもむという楽しみを奪ってやった。
正月用の餅を二人だけでつくという状況に追い込み、半ば強引に鏡餅を製作。
今年の神棚に飾られる鏡餅は嫁子の手によるものだ。感謝しろ。
その間ウトには火の番をさせておいた。
上着が焼けたと不平をたれるので「そのくらい恵んでやる」と鷹揚に答えてやったぞ。
午後からはトメを自分の車に拉致し、買い物へ付き合わせた。
御節などいらん、なんせ嫁子はインフルエンザにかかる予定だからな。
親戚縁者、全員シャットアウトだ。
もちろん松があけるまで嫁子の病状は継続するはずだ。
だから誰が尋ねてきても玄関前で追い返せ。
トメが楽しみにしている数十人分の御節の準備などさせてやらぬわ。
その代わり嫁子が飲んだくれる酒をかわせてやったぞ。
嫁子が、買うのは好きなくせに腹が膨れるからビールは口をつけるだけなのは知ってるだろうな。
つまみはウトメが嫌悪する魚介類だ ウトが一番嫌いな青魚の釣りアジなどどうだ。
トメには塩抜きや皮むきの手間ばっかりかかるような数の子を押し付けてやる。
その間、ウト、おぬしはさっさと親戚挨拶に回っておけ。
お歳暮は見た目は嵩張るがスカスカの高級乾物の詰め合わせにしておいたからな。
近所だから歩いて回るとほざいた罰だ。
正月飾りはピラミッドの頂点にいる嫁子が高所を受け持つのは当然だな。
玄関前も仏壇上も聖域、誰にも触らせなどせぬわ。
鏡餅の飾りつけなどという神聖な仕事をさせると思うか。
餅の上に飾る見栄えのよいダイダイを選ぶのも嫁子の仕事だ。
餅とり粉にまみれて純白になる神聖な儀式を邪魔させると思うのか。
なに、大ウトメの墓参りはウトメ夫婦でいかせてくれだと?
ならぬ、それに嫁子が同行せぬでどうする。
・・・そうか、その間の来客には、誰がこの家の主か教えるのにちょうどよい機会だな。
案ずるな、誰が来ても当主としての役目を果たしてくれようぞ。
晩飯のおかずに昼間購入しておいたイクラの醤油漬けを嫌がらせで半分置いていってやる。
全部おいていかない仏心をありがたく思え。
明日は大掃除だ、言っておくが一世代違う嫁子の体力をなめるなよ。
明日その底なしの体力を思い知るがいい!
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なにこれ 寒い