学生の時、ゼミの後輩に京都出身をアピールする女の子がいた。
京都出身だからゆったりしている。
だから遅刻してもいい。
京都出身だから話し方も違う。だから敬語で話すことはしない。
などなど、お客さんがいても平気で無礼な態度でいるので、みんないい加減イライラしていた(怒っても「京都じゃ~」と反論してきて、京都の悪いイメージ持ちそうなので、放っておいたのです)
ある日、お客さんがいる前で彼女がいつものように振る舞っていたら、そのお客さんが今までとはがらりと話し方を変えた。
テレビで聞いたことがある話し方に「あの・・お住まいは?」と尋ねたら、御所の近くにずうっと代々お住まいなんだとか。
いつのまにか後輩の姿は消えていた。
「普段はこんな風には話さないんだけどね。何か話したくなっちゃって」と笑うお客さん。
思わず「すいません。今の話し方で源氏物語を・・」と冒頭の部分を話してもらいました。
雅という意味を少し知りました。
彼女はそのすぐ後に私たちのゼミをやめて別に移りました。
そこでも「京都出身やから」をやっていたそうです。
こちらの情報は何も伝わらなかったので、よそではそんな彼女になびくのもいたんだとか。
ところが移った先には沖縄出身の子がいて、いい加減うんざりしたらしく、「京都やしぃ」と話す後輩に沖縄口で会話を止めた。
「話止めないで。地方のくせに」と怒る彼女に「こっちは琉球王国だけど何か?京都だから何なの?」
後輩はこれ以上、理由付けてゼミを変えられないと諦めて大人しくそのゼミにいたそうです。
沖縄出身の子は友人だったので「何て言って話止めたの?」と聞くと「フラー」と言ったんだとか。
つまり「バーカ」という意味。
「ウチ京都出身やから~」「バーカ」と話を止めたみたいです。
京都の人がみんながみんな後輩のような人じゃないとは重々承知しております。