昔の人は腹が座ってると思わされた50回忌が終わった祖父の話。

昔の人は腹が座ってると思わされた50回忌が終わった祖父の話。

50回忌が終わった祖父の話。

明治生まれの山師だった祖父は、酒と女とバクチが大好きという人だったとのこと。

妾宅だけで三軒もあったが、中の一軒で卒中を起こしたところ、そのお手かけさんは足袋裸足で表に飛び出し、「こちらで死なせるわけにはいかないから」と
近所の人の手を借りて、戸板に祖父を乗せて本宅まで送り届け、自分は門前までで見送った武勇伝。

祖父の葬儀には、三人のお手かけさんを呼んで、自分の隣りに座らせた祖母の武勇伝。

そして三人の髪の毛を棺に納めたのも祖母の武勇伝。

葬儀の後、家の権利証をそれぞれ「ご本宅にお返し致します」と差し出した、三人のお手かけさんたちの武勇伝。

それを受け取らなかったばかりか、当座の生活費まで渡した祖母の武勇伝。

大正生まれの母は一人っ子の跡取り娘で、これらを一部始終見聞きしてから後、亡くなっていったお手かけさんたちを本宅の墓所に引き取ったのは母の武勇伝。

昔の人は腹が座ってると思う。

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