俺はさすがに死ぬほどかっこ悪かったが、ちょびヒゲのマスターと優しい孫娘はマジかっこいいと思った。

俺はさすがに死ぬほどかっこ悪かったが、ちょびヒゲのマスターと優しい孫娘はマジかっこいいと思った。

ちょびヒゲ親父がマスターやってる小さい喫茶店でバイトしてた頃の話。

その喫茶店には、近所のばあちゃんと高校生の孫娘という2人組が数少ない常連客の中にいた。

ばあちゃんと孫娘はめちゃめちゃ仲良しで、俺やマスターも2人と仲良かった。

ある日、そのばあちゃんと孫娘がいる時に初来店の女子高生2人組の客も来たのね。

んで、その女子高生2人組は孫娘のカバンを指差してクスクス笑いだした。

「何あのだせぇの」「ありえなくね?」「つかあんなん持てる奴が信じらんない」とか言いながら。

孫娘が持ってるカバンは確かに流行りのものとかではなかった。

でもそれはばあちゃんの手作りのカバンだったからなのよ。袋っぽいカバン。

俺とマスターは以前そのカバンの話をばあちゃんと孫娘から聞いてて、そんでカバンがばあちゃんの手作りってことも知ってたたもんで、内心すげーむかついてた。

しかも店が狭いうえに笑い声とかが無駄にでけーもんだから孫娘たちにも丸聞こえで、ばあちゃんなんか明らかに悲しそうな申し訳無さそうな(←孫に対して)顔になっちゃってる。

俺の中でその女子高生2人はもう、うんこ。

注文取りにいくのもすげー嫌。

そしたらいきなりマスターがそのうんこ2人組んとこ行って、そんで「帰れ」って言った。

うんこ共は最初半笑いで「はぁ?」とか言ってたんだけど、マスターが「いいから帰れ」ってまた言ったら、奴らは「まじむかつくんだけど」「マジうぜぇキモイ」って切れながら帰った。

俺はもう、ちょびヒゲを心底尊敬したね。

むかつくと思うことしかできなかった自分を恥じると共に。

そんで更に孫娘、「あたしこのカバン大好きだよ?」ってばあちゃんに笑顔で言った。

ばあちゃんすげー嬉しそうで、そんでちょっと泣きそう。むしろ俺が泣いた。我慢できなかった。

鼻水まで出す勢いで泣いてしまった俺はさすがに死ぬほどかっこ悪かったが、ちょびヒゲのマスターと優しい孫娘はマジかっこいいと思った。

マスターと孫娘の武勇伝。

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