胸がスーッとする武勇伝を聞かせて下さい!8
ハゲ上司はいつも宴会部長気取りで、若い男性社員に無理矢理酒を飲ませるなどしてウザがられていた。
また女性社員に対しても酒が入るとセクハラ質問を繰り返し、相当な嫌われ者であった。
会社の新入社員の歓迎会でのこと。
その歓迎会の席でも社長不在とあって、ハゲは王様気取り。
例によって部下が逆らえないのをいいことに、
「注がれた酒はすべて飲み干せ」だの「俺の酒が飲めねえのか」だの
まるで昭和頃の大学の応援団の飲み会の風景であった。
先輩社員達は絡まれても、また始まったなという感じで適当に愛想笑いをしていたが、
新入社員の一人は元々アルコールをうけつけない体質で、
それでも無理して少しは飲んでいたが、すでに限界であった。
当然本人は、すいませんもう限界ですと断り、他の社員も、まあその辺でと制止していたが、
構わずハゲは飲酒を強要していた。
今までおとなしく断っていた新入社員は突然キレて、
「飲めんちゅうとるじゃろうが、ハゲ!!!」と、
ハゲのネクタイを掴み、瓶ビールをハゲ頭にシャワーのようにかけた。
慌てふためくハゲに今度は、「おいハゲ、お前が飲め」と言って、むりやり口にビール瓶を突っ込む。
さらにハゲの襟首の後ろから瓶を突っ込み、シャツの中に大量のビールを流し込む。
他の先輩社員達は今までの恨みもあってか、一応止めに入る振りはするが本気では止める様子はない。
しまいに「やれ、やれ」コールまでおこる始末で、大変な修羅場&大爆笑の渦となった。
会場の畳はビールの海となり、割れたグラスの破片などではちゃめちゃ状態。
収拾がつかなくなり歓迎会は解散した。
後日社長がハゲを連れて破壊したお店に謝りに行き、修理代を弁償。
新入社員は自主退職してしまった。
しかし、これまでのハゲの傍若無人ぶりも社長の耳に入り、
社長はハゲに社員全員に対しての謝罪を命じ、また降格処分とし一件落着であった。
社会人としては誉められた行動ではないかもしれないが、新入社員Sよありがとうと心から思った。
そういうハゲ(昭和の応援団風)まだいるんだね。
前の会社の7こ上の先輩がまさにそんな感じだった。
おれは酒が好きだから被害には逢わなかったが、飲み会になると
「おれの酒が飲めねえのか!」と、ことごとく後輩を潰していた。
ある時、グラスになみなみと注がれたバーボンの一気を強要された。
恐らくバーボンなら生意気なおれを潰せると思ったのだろう。
その言い方にカチンときたおれは、当然のように一気に飲み干した後、
すかさず先輩のグラスに同量のバーボンを注ぎ返し、
「どうぞ!。○○さんも男っぽいとこ見せてくださいよ!」と言い放った。
ぐだぐだ言い訳を並べ抵抗するヤシだったが、毎回後輩を潰され完全に
キレたていたおれは先輩を罵倒し続け、結局一気飲みをさせた。
その日からおれが居る場で後輩への強制的な酒はなくなったようだが
会社を離れた今、飲み会事情がどうなっているかはわからない。
仕事は人一倍出来、尊敬する先輩だったが、性格は人一倍悪かった。