胸がスーッとする武勇伝を聞かせて下さい!(50)
数年前の話。
地元高校のバレーボール部に所属していた私。
そんなにレベルは高くなかったものの、
それなりに運動は出来たほうで、恥ずかしながら
クラブ部員の間では「教え方がうまい」と褒められていた。
ある日、体育でバレーボールの授業があった。
その翌日同じクラスのAに突然怒鳴られ、その理由を聞いてみると、
Aの友人のBが私に「下手なんだから動くな」と言われたと説明。
はっきり言ってそんな記憶は一切無いし、
その時はチームが違ったこともあり、一言も話していないと反論。
それに切れたらしいAが、お前は最低だ、
お前みたいな奴がバレーなんてやるな、と罵られ、私は絶句。
放課後にクラブ活動があって、それに無理に参加したが
部員に気づかれ、結局我慢できずにぼろぼろ泣いてそのことを告白した。
その事に激怒した部員が、次の日AとBの二人を部室に呼び出した。
どうやら自分が帰ったあとに、こっそりと計画をしたらしい。
突然呼び出されて、そこに異様な雰囲気の部員とAとBの姿を見つけた。
そして戦闘開始。
「それでも言った。みんな騙されてるんだ。そこまでするなんて最低。」とまたもや暴言。
言った言わないの攻防の後、ある先輩が一言。
「○○は教え方はずっと見てきたけど本当にうまい。だからその言葉が嘘だって分かる。
『下手だから動くな』なんていう奴が教え方がうまい、と部員に言われると思うか?
そんなことを言う○○のために、わざわざ私達がAとBを呼び出してまでこんなことすると思う?」
その言葉に思わず涙が零れそうになる私。
そして観念したようにわんわんと泣き出したB。
聞いたところによると、Bは私の事が理由は良く分からんが大嫌いだったらしい。
しかし、Bの親友(だと思い込んでる)のAと私の席が近くなり、
そのことが気に食わなかったらしく、Aに嘘をつき私の印象を悪くしたかったそうだ。
Aはその事実に呆然。部員達はあまりに身勝手なBに激高したが、
誤解は解けたようなので、それ以上はもういい、と私はその場を宥めた。
その後AはBを完全にCO。私に何度も謝罪してくれたが、
怒ってはいないが、友達に戻るのは無理だと説明。
そのことが無かったらいい友達になれた気がするけど、
芋づる式にBを思い出すのが嫌だったので。
今思うと大人げないかな、と思いますが、
AはAで新しい友人を見つけたようです。
見方を代えればちょっと行き過ぎてるけれど、
Aは友達想いだったんだろうな、と。
部員達には本当に感謝してます。本当にありがとう。
あの言葉が無かったら、部活を止めるところでした。
武勇伝じゃなかったらモメン。
それも、あなたの日ごろの行いの賜物だろうけどね。
Bは最低だ。その後学校生活は悲惨だったろう。