胸がスーッとする武勇伝を聞かせて下さい!(38)
工場管理職は保身のためにヘコヘコして、工場全体が金正日体制みたいになってしまった。
入社数年の下っ端社員だった私が抵抗したら、遠く離れた重労働の現場に異動させられた。
ここで退職したら負けなので、異動先でもキッチリ働かせてもらった。
しかし、あの金正日だけは何とかしてやりたいと思い、
内緒で、本社総務部宛に密告の手紙を書いた。A4で10枚くらい書いた。
そしたら、新入社員の時以来、会ったこともない常務がコッソリ私に会いに来て、
食事しながら直々に工場の現状を聞いてくれた。
社長もあの手紙を読んで初めて工場の惨状を知り、何とかして欲しいと常務に指示があったらしい。
しばらくして金正日は解雇、工場管理職は全員減給の処分、私は元の部署に異動になった。
「○○ちゃん(私のこと)が行動を起こしてくれて、工場は本当に助かった」
なんて、管理職が手のひらを返したように私に話してくるのが気味悪かった。
すげー!GJ!
今もその会社にいるの?
それから数年後、結婚を期に転職したので今はその会社にはいません。
一度だけ、当の管理職から「戻って来てくれないか」と言われましたが、断りました。
処分を食らった管理職たちは、金正日の下ではヘコヘコしてたけど、
工場が荒れていくのは誰に目にも明らかだったので、
本心では何とかしなくちゃと思っていたのかもしれません。
何十人も管理職はいたので、そりゃ中には私のことを恨んでいる人もいたでしょうね。
でも私は本社の社長以下偉い方々に守られてるって思ってたので、別に恐くはなかったです。
まあ、今思えば、管理職の人々は家庭を持ってるお父さんたちで、生活がかかってるから、
金正日に謀反を起こすなんて出来なかったはず。
ペーペー独身女だから出来たことですね。
金正日が退職する日、ケジメはつけとかないといけないから、一人で工場長室に挨拶に行きました。
「おつかれさまでした。お世話になりました」と当たり障りのない挨拶をしたら、
金正日は寂しそうに少し笑って「まあ、がんばってね」とか言ってました。
今でもその会社の元同僚と食事したりしてますが、もちろんこのことは内緒にしています。
私が密告したってのは、本社上層部と工場管理職までで秘密になってるみたいで、
それ以外の人は誰も知らない様子です。
もう昔の話ですしね。
勇者
gj!