何も出来なかったﾁｷｿな俺とは大違いの格好良い女性を見ました。

「うるせーんだよ、おっさんっ！！」

そこにちょっと声高の女性の声が。

「テメェがここに駐輪していたのがそもそもいけねーんだろうが、アァ！？
　ほら、ちゃんと見ろよ「駐輪禁止」の看板立ってんじゃねーか。
　それとも、てめーの目は節穴か！？」

……啖呵を切ったのは女の子でした。多分大学生ぐらいの。
一見、啖呵を切るとは思えない、小奇麗な格好をした女の子。

おっさん、その子にも向かって何か騒いでましたが。
「ぐだぐだ言わずにてめぇが悪かったと認めろよ、いい大人だろーがっ！！
　それともそこにある警察に行くか、ゴラァァァっ！！」
商店街一帯に響く張りのある声。
もちろん辺りを歩く人たちの注目の的。
視線が気になったのか、おっさんすごすごと退場。

彼女はそれを見届けると、待ち合わせをしていたのかな？
時計を見て慌てて駆けて行きました。
何も出来なかったﾁｷｿな俺とは大違いの格好良い女性を見ました。