勇者降臨 義理家族に言ってスカッとした一言 其144
実際、トメの台所に給湯器はなかった。
結婚後初めて義実家で過ごした正月。私はトメから当然のごとく炊事を言い付けられた。
私は何の疑問もなく、氷水のような水で食器洗いもした。
トメは裏下のついたゴム手袋を使っていたが、私は手の感触が鈍る手袋は苦手。
それに、お湯を使うと手荒れする体質だったので普段から素手であったので水仕事は苦ではなかった。
ところが、その翌年の初秋――
関東にある我が家に孫を見にやってきたトメは、台所での炊事に湯をパンパン使っていた。
冬場にも炊事は水でおこなうものではないのですか、と聞いたら
『湯で洗ったほうが皿が綺麗に洗えるし、水も良く切れる』とのたまった
あの空白に浮かぶスカッとした一言が。
私は非常にスカッとしたのでGJを与えてやろう。
続きを書いている途中で、忘れ物をした旦那に呼び出されていた、ごめんよ~
おまけに、スレ違いかもってことに気づいたよ~
その時は、トメの姉妹たちから給湯器をつけたほうが良いよとは言われていたようだったので設置したのだと思っていた。
だが、その冬、飛行機に乗せられるようになった子供を連れて家族で帰省したトメの台所に給湯器はなかった。
相変わらず、トメは裏毛つきのゴム手袋で炊事をしていた。
トメは湯で食器を洗う利便性を知っている。でも、水で洗っている。
これは、給湯器をつけていないことに対しての負け惜しみなのだろうか…
義実家に親類が集まりトメ姉妹が固まっていた時、トメが席を離れている隙に彼女たちにこっそりとこの疑問をぶつけてみた。
すると――
トメは、冬場は風呂場に設置してある給湯器食器を洗っている。
風呂場の給湯器はもらい物。台所に設置したかったのに大型業務用だったから風呂場につけた。
と、私の疑問に答えてくれてすっきり。
しかし、姉妹たちは話を続けた。
私が気に入らないと結婚の挨拶後から言っていたし、何かと悪口を言っている。
これは嫁いびりに違いない。
と、結論付け、可哀想にと同情された。
その場で私は嫁いびりを明るく否定した。
それから家へ戻ってから間もなく、トメから毎日のようにご機嫌伺いのような電話があった。
数日続いた最後の電話のなかで『同居は無理よね』と言ってきたので肯定しておいた。
宴会の間、トメが席を外す度に姉妹たちはさっと集まり何事かを話し合っていた。
その様子が異様で怖かったのを覚えている。
トメは息子だけ、姉妹たちの子供は全員娘だけであることを考えると、
色々と言われたのだろうな…と想像した。
言ったトメに、肯定したところ??
スカッとしたのは
強いて言えば、姉ちゃんは偉いと威張り腐っていた姉妹の長女だったトメが姉妹にやり込められたこと。
家事のやり方、子育てのこと、息子のいないことをチクチクやられていた姉妹が
この事で色々反論できるようになったらしいので、一番スカッとしたのは彼女たちかな。
例えば、結婚した姪は旦那の生家ばかりに行っていて実家にはなかなか帰らないようだ――なんてトメが愚痴る。
しかし実際は、姪夫婦は双方の家にバランスよく訪問しているらしい。
そこに私が、
「結婚したときに実家へは年に一度行けば言いと言われましたが、
私も年1度ではなく毎週実家(車で一時間)に行ったほうがいいですかね?」
というと、小母さんがトメを攻撃し始める。
それを私は、ゴメンナサイって顔だけみせて席を立ち、陰でニヤリ…
あ―――私って陰険だわ。
コメント
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意味がわからん
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そんなに難しいことは書いてないと思うけど。