ある駅で乗ってくるキレイなおねーさんが、急にそわそわし始めた。
体の位置をずらしたりしてるのを見ると、どうやら痴漢にあってるご様子。
痴漢をやめさせようと近付いていったら、おねーさんは俺に気付いて
手で制するような仕草をする。「来るな」と言ってるようだ。
正直、結構好きな人だったんで、構わずに痴漢の腕を探して
掴まえようとしたんだけど、彼女が「…フッ」っと気合を入れたと思ったら、
彼女の右後ろから「ふぁが」っていう間抜けな声が。
50歳前後のオヤジが、顔をしかめて手をさすっている。
彼女は「わざわざきてくれてありがとうね。もう平気だから。」と
笑ってくれた。そのこと自体は嬉しかったんだが、何があったかは不明。
多分、痴漢の手をつねったんだろう、ぐらいに思ってた。
2分ほどしてある駅に到着。すると先ほどの男が、手を抱えるように下車。
手が赤くなってるんだろうな、と思って半笑いで見てみたら…
左手の人差し指と中指が、あり得ない方向に曲がってました。
それ以来、彼女がたまに話しかけてくれるんですが、ちょっと怖いです。
おねーさんカコイイ!
やりすぎのような気もしないでもないが。
オネーサンGJ
このような言葉の中に隠された偽善。
犯罪者に対して適宜な防衛とはどのようなことか、
こいつは考えたことがあるのだろうか。
格闘技や護身術を身に付けていない一般人に
「適宜な防衛」あるいは「怪我をさせずに犯人を捕獲」
など出来るわけが無い。
われわれに出来るのは、一心不乱に身を守ることだけだ。
その結果、勢い余って相手に怪我をさせるかもしれない。
それが「過剰」だの「行き過ぎ」だの言われて加害者
扱いされるのではたまった物ではない。
これからも犯罪に対しては見てみぬ振りをしよう。
改めてそう思った。
助けようとした男性にこなくていいみたいな余裕のジェスチャーかましてるところを
見るとわざわざ指の骨を折らなくても、それなりの護身術等を身に付けているはず。
なのに、痴漢を捕まえるでなく怪我をさせる目的で彼女は指の骨を折ったんだから
裁判に持ち込めば間違いなく過剰防衛。傷害罪が適用される。
彼女と痴漢だけで周囲に助けを求める人もいない状況で生命の危機に晒されている
ならば別の話しだが。
だからダメだっていってるんだよ。
護身術を身に付けていようがいまいが、怪我させたら一転、
加害者になっちゃう。
こいつの頭には痴漢くらいで骨を折ること無いじゃねえか、
とか痴漢くらいでなんでそんなにい?触ったって減るもん
じゃねえだろ、みたいな思いが渦巻いていると思われ。
折られた側が裁判に持ち込めないから無問題。
骨はいずれくっつくが、「痴漢の烙印」を剥がすのは容易なことじゃない。
損得考えたら訴えたりしないよ。
さんざん折られた俺が言うんだから間違いない。