「週末に面白い人と会うんだけど、一緒にどう?」
生返事をすると今度はその人の凄さについて語りだす。
何かあやしい。宗教かセミナーらしき芳ばしい匂い。
でもね、こういうの好きなんだよね私。あやしげなヤツ。
ついに自分にもチャンスが回ってきたか。
ということで怖いもの見たさに友人に連れられて着いた先は
予想通りセミナー会場。周りを見渡すと
ダ メ そ う な 人 た ち で い っ ぱ い
(先入観からか?)
こんな凄い人脈もある・・etc
皆さんにもその秘訣を分けてあげたい、そんな内容。盛大な拍手。
次に友人とセミナーの先輩?(以降”先輩”と表記)と私で面談。
周りも同じような風景。先輩とはいうが年を聞くと同い年だった。
まずは、このセミナーを主催している会に入るにはン十万かかるとの説明。
また毎月教材らしきものもくれるらしい。最初に説明するなんて意外に良心的。
まぁ先手を打って「会に入るにはいくらぐらいかかるんですか」と聞く私は世知辛いが。
以降、先輩が質問・私が答えるの繰り返し
「隠居です」
「成功するための条件って知ってる?」
「失敗しないことですね」
「ここで頑張って成功した人はいっぱいいますよ」
「あなたは成功してるように見えないんですけど」
ちょっとプチっときたみたいです
「あなた醒めてますね、そんなんじゃ友達いないでしょ」
「あまり数は多くないですけど、友達を失くすこともないですね」続けて
「昔の友達に変な噂が広まったりすることもないしね」プッ
「人が親切に教えうとしているのにその態度は何だ!!」
「おまえみたいなヤツは絶対成功しない」
罵詈雑言が続く。だが急に猫なで口調になり
「君のためを思っていってるんだから」
「しっかりした自分を持ってる」etc
今度は褒め殺しか。
実は昔セミナーの内幕を記した本を読んだことがあるんだよね。
話の流れの持っていき方とか本の内容に凄く似てる。
女の子口説くのに使えると思って読んだんだけどな。
全く使えなかったけどね。怒るパートで逆切れされてばかりだった。
「わかりました」
「あなたの考えは本物です」
「もう少し違う自分を探してみます」
先輩ちょっと笑顔。
「ちょっと頑張ってみようか考えてみます」
先輩笑顔。
「で、特定継続的役務取引のクーリングオフは契約書面発行から8日間でよかったんですよね?」
元気良く大きな声で。周りに聞こえるぐらい。もちろんわざと。周りの視線が集まる。
? 前の晩に予習したておいた。塾とか○○教室なら契約後8日以内、マルチなら14日以内の契約は解約できる。 ?
するともう一人別のお兄さんが登場。
「お互い誤解があると不愉快な結末になりがちです。お友達との関係も悪くなるでしょう」
怒気も殺気も感じない。物腰は柔らかい、かといって卑屈な感じもしない。
こういう人と勝負するとホントに痛い目見るんだよね、経験上。
引くことにする。
「それじゃあ、帰ります。」友人を促す。
ついでに近くのテーブルにいた人達にも「もう帰ろう」と声をかける。
その人達も一緒についてきてくれた。やっぱり断りそびれてたらしい。
感謝される。
腹が減った。友人と飯を食うことにし、ラーメン屋に入る。
味噌ラーメンを食べた。おごってくれそうな気がしたので大盛+叉焼追加した。
こういう時は変に遠慮するよりはいい。
都合のいい予感は現実化した。
こいつが女だったらこのままホテルに連れて行けそうだな、と考えながら
駅まで歩いて行き、別れた。
数日後友人からセミナーとは手を切ったとの連絡があった。
なかなかおもろかったしGJ!
もともと自分がスーッとする目的で突入したくせにw
笑顔の汚い正義の味方だな。グッジョブ。
俺も宗教関係のセミナーに行ったことがある。
怒ってからなだめるというのは常套手段なのかな、俺もやられた。
ただ、怒られたときのショックが強くて、なだめられても全然機嫌がよくならず、
結局5分怒られて一時間誉められてそのまま帰ってきた。ご苦労さんとしか言いようがない。
面白い話をありがとう。
「隠居です」
「成功するための条件って知ってる?」
「失敗しないことですね」
この返しが(・∀・)イイ!
どこかで使わせてもらいます。