少年 「助けてください！」「警察呼んでください！」

もう２，３年前になるが。とあるコンビニで知り合いと買い物中の出来事。
レジで金払ってるといきなりドアが開き、「助けてください！」と少年（15,6歳くらい）が飛び込んできた。
口から血を垂らして。「警察呼んでください！」と叫び、表へ出て行った。

とりあえず表行くと、「待てやコラ、逃げんな！」の怒声が。声のほう向くと3人のリーマンがいた。
少年に絡んでいるのが二人。そして一人倒れていた。目から血をﾀﾞﾗﾀﾞﾗ流して。
知り合いに電話で警察呼ぶように言うと（店員は店から出てこなかった）、揉めてる二人を引き離す。

「コイツがよー、いきなり手ぇ出してきたんだよ！」とリーマン。酔っているようだ。酒臭いし、目も血走っている。
「違います！そもそもあなた達が自転車を車道に投げていたのを注意しただけでしょう！」と少年。
お互い熱くなってるので、とりあえず少年を離れてろと追いやる。リーマンには警察呼んだことを伝える。
「おじさんもさ、相手子供なんだから」と言うと「おじさん？」。慌ててお兄さんと言い直した。
いったん片が付いたように思えたのだが・・・・。倒れてた3人目を起こすと再度燃焼。
「あーあーあー、見ろよこの人こんなに血を流してて！」「お前ただじゃすまんからな！」とリーマン達。
なぜか俺がおっさんの血だらけの顔拭くハメになった。よく見ると、駐禁のチェーンに足取られてコケたらしい。

しばらくして警察到着。この辺になるともう、傍目から見ててもリーマンが悪者、みたいな雰囲気なのは明白だった。
「警察？呼んでねーよ！」とか叫んでたし。少年も淡々と事情を説明してた。俺も事情聴取されるかと思ってたが
されなかった。別に呼ばれなきゃいいや、と思ってたんだが・・・。

しばらくすると少年の家族（父・母・姉）登場。少年から連絡を受けたのか、走ってきた。
突然だが父親ブチ切れ。リーマンに向かい真っ赤になって怒鳴りだし、向かっていこうとする。
慌てて止める警官。それを見て挑発してくるリーマン。なだめようとする警官を振り切って行こうとする父親。
それが２、３回繰り返されるのを見て俺が声かけた。
「まあおやっさん。もう警察に任せようよ」「何だお前は！関係ねー奴は引っ込んでろ！」
「関係なくはないさ。俺は息子さんとあいつらの喧嘩を止めたんだよ。
俺も細かい事情は分からないけど、おそらく息子さんがあいつらの無茶を止めて、それを逆切れされて
喧嘩になったんじゃないの？息子さんが正しいなら、後は警察に任せようよ。
あいつらも今はああなって叫んでるけど、明日になったら後悔するさ。何より、息子さんが冷静なのに
おやっさんが第二ラウンドを始めてどうするのさ」

しばらくは父親も収まらないみたいだったけど、どうにか鎮火していった。俺も夜更けてたし、
何より寒かったのでそのまま帰宅した。後はどうなったか知らない。